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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第15章 大事なものが離れていく
構ってもらえて嬉しいのは否定出来ない…
「あ、笑った。良かった、朝から元気無さそうだったから…」
「あっ…」
やっぱり気付いてたよね…
「それは…もうすぐ繁正さんと会社に居られるのも僅かなんだって思うと寂しくて…」
盗み聞きしたと知った時の繁正さんの反応が怖くて本当の事が言えない…
「あはは、そんな事で悩んでたの?深刻な悩みかと思った」
「深刻ですよ。好きな人とは少しでも近くに居たいんですから…」
「…会おうと思えばいつでも会えるだろ?恋人なんだから」
「はい…」
デスクに戻ると、けいちゃんと滝沢さんから髪型について突っ込まれたが、キスマークはバレなかった。
「佐々木ちゃん、髪下ろした姿も可愛いね」
「ありがとうございます」
「はぁ…余計絡まれてるじゃないか……」
「原田さんがお手洗いに行ってる間に、資料纏めておきましたよ。褒めて下さい」
「並木さんありがとう。あと余りくっ付かないで下さい。周りに変な誤解を与えてしまうから…」
「いいじゃ…あれ原田さん、うなじ赤くなってますよー?虫に噛まれたんですか?」
「いや、これは…ちょっと…ふっ…」
「ふぅーん……」