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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第16章 手を伸ばしても届かない存在
「はぁ…これからどうしようかな…」
平日のお昼頃、私は公園のベンチに座って、目の前に群がる鳩をボーッと眺めていた。
昨日まで自分が抱えていた仕事を後任に引き継いでいたが、まだ働いて日が浅かったからか、特に時間も掛からずに終わった。
なので、会社から早々とお暇を出され、時間を持て余している。
今からハローワークに行って、仕事探してこようかな…
昼の分の収入が無くなってしまったからもっと節約しないと…
とりあえず近くのコンビニに寄り、おにぎりやパンを見てみる。
スティックパンを購入して、外に出ると誰かに肩を叩かれた。
「えっ!?」
「あなた、どこかで見た事あると思ったら、舞花ちゃん!?」
聞き覚えのある声だと思い、振り返ると…
「あ、繁正さんの…お姉さん」
「そうそう!見覚えのある子が真剣にパンとおにぎり選んでると思ったら、舞花ちゃんだったんだね」
繁正さんと深い関係のお姉さんは今凄く気まずい人だ…
「ねえ、舞花ちゃん。まだお昼休み中なの?もう1時だけど」
「お、お昼休み中なんですよ!うちの会社、お昼休み結構ルーズなんで、今の時間になる事があるんですよー」