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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第16章 手を伸ばしても届かない存在
さすがにお昼休みがずれたなんて言い訳はキツいか…
「そっか…お昼休みって始まったばかりなの?」
「は、はい。そうですね」
「舞花ちゃんが嫌なら良いんだけど、一緒にお昼食べない?」
「えっ、は、はい…」
しまった、普通に返事しちゃったよ。
でも、誰かと一緒に居たかったから、無意識に返事しちゃったのかな…
玲奈さんと一緒に先程の公園のベンチに座り、コンビニで買った物を取り出す。
玲奈さんはカルボナーラとおにぎり2つ、細身なのに割と食べるみたい…
私のお昼、スティックパンだけだから、出すの恥ずかしいなぁ…
「舞花ちゃん、お昼それだけなの?美味しいけど、物足りなくないの?」
「はい、普段からこんな感じ……」
グゥゥ……
「………」
我慢してるみたいに思われて恥ずかしいな…
気まずさから顔を俯けると、目の前におにぎりが差し出された。
「これ美味しいから食べてみて」
「良いんですか?玲奈さんが買われたおにぎりなのに…」
「いいのいいの。しげの大事な人でもあるんだから」