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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第16章 手を伸ばしても届かない存在
「それじゃあ、彼女を連れて行ってもいいですか?」
「は、はいもちろん!」
「えっ!?」
本人の了承を得ずに勝手にオッケーしてるの!?
唖然としてると、繁正さんに手を握られて部屋の外へと引っ張られた。
マンション近くのコインパーキングに停めてあった繁正さんの車に乗せられ、すぐに出発した。
「えっと、繁正さん…」
急展開にあたまが付いていかず、繁正さんの方を見ると一瞬だけ笑ってくれた。
その笑顔はお見合いの話が来る前に見た、優しい笑顔だった…
「あの、お見合いは…」
「ごめん、一刻も早く2人きりになれる場所に向かいたいんだ…そこで話をしよう」
「はい…」
何となく、運転中は聞かない方が良いと思い、黙って外の景色を眺めていた。