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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第17章 2人のこれから
車は繁正さんのマンションに向かわずに、高速に乗って神奈川県方面へ。
海岸線沿いを走り、海辺に一軒の白い建物が現れた。
建物内に車が入り、繁正さんに降りるよう促された。
「あの、ここは…」
「ここはうちが所有してる別荘だよ…ここなら誰にも邪魔されずに話が出来るから…」
こんな立派な別荘を持っているという事は、社長さんの息子という話は本当だったんだ…
部屋に通され、ダイニングテーブルに向かい合うように座った。
どうして別荘に連れて来たんだろう…
「まずは…出張の間全く連絡出来なくてごめん…」
「いいえ、謝らないで下さい。元はと言えば私が悪いんですよ。会社の為の大事なお見合いを私のせいで断らせてしまったんですから」
「うん…」
「でも、繁正さんが黙ってくれると思っていた副業を会社にバラして「俺に連絡するな」って脅すようなメールをもらった時には、自分の浅はかさを呪いました。
繁正さんにとったら私なんて、遊びの内の1人なのに本気になられて迷惑だったんでしょう?だから無理矢理引き離して…」
退職した時の惨めさや悲しさといったネガティブな感情が湧き上がってきてどんどんと気持ちが昂り、繁正さんに心ない言葉を投げ付けてしまう。
「舞花、違う…」
「別に嫌になって別れるなら、きちんとお別れしましたよ。でもあんな脅迫するようなメール送って…私の人生何だと…」
「俺は君との付き合いを遊びだとは一度も思った事は無い!!」