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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第17章 2人のこれから
私がもう少し繁正さんの事を考えて気持ちに余裕があれば、お見合いの話なんてどうって事無かったのに…
嫉妬心から繁正さんの事信じてあげれなかった…
鼻の奥がツンとして、泣きそうになって目尻を押さえていると、肩を抱き寄せられた。
いつの間にか繁正さんが隣に移動して、私を慰めてくれていた。
「ごめんね、本当はすぐにでも迎えに行きたかったんだけど、出張明けで溜まっていた仕事とか並木さんの件で時間取られた…それにお見合いの話だって俺がきちんと説明してたら舞花を苦しませすに済んだのに…ほんとごめん…」
「いえ、繁正さんにも立場があるので気にしてないです…」
繁正さんは社長の息子という難しい位置に居るから、子会社で見ていた以上に忙しいに決まっている。
「社長の息子だと黙っていたのは、その事実が漏れて仕事がし辛くなるのが嫌だったんだ。俺を社長の息子として見られるより、1人の社員として仕事ぶりを見て評価して欲しかったからなんだ。だから、舞花にも事実を話さなかった…舞花は喋らないと思ってたけど、黙っててごめん…」