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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第18章 エピローグ
…でも社長の元に付いて仕事をするとなると、忙しくなって一緒に過ごす時間が減りそうだな…
「どこに就職するか希望はあるの?」
「特に決めてなくて…」
「なら、こういうのはどう?」
「…何ですか?秘書検定?」
繁正さんが取り出したのは、秘書検定のテキストと過去の試験問題。
「秘書になって、うちで働かないか?将来社長になったら、舞花に支えてもらいたいんだよ」
「でも、私子会社を退職したんですよ。いきなり本社に就職って…」
「舞花が規則を破ってまで働いてた理由は知ってるからここで働くのに不利にならないよ」
テーブルの向かいに座ると「それに」と続けた。
「秘書になったら、仕事中も一緒に居られるだろ?」
「ふふっ、公私混同ですね。それに検定に受かったわけでも、就職したわけでも無いのに気が早いです」
「君は優秀だから、受かるに決まってる。俺には見えるぞ、公私ともに支えてくれる舞花の姿が…」
ずっと自分に自信が持てず、搾取されていた私を繁正さんは掬い上げてくれた。
女性の悦びを見つけ出してくれて、恋の楽しさを思い出させてくれた。
そして危機に誰よりも先に身の危険も顧みずに助けてくれた。
繁正さんとなら助け合って笑い合いながら、ずっと寄り添って歩んでいけると信じている。
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『秘めた花は彼の腕の中で咲く』終わり