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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第20章 新しい関係
淹れてもらったコーヒーは普段自宅でも飲んでいる物と同じ品種で、口に広がるほのかな苦味と香りにホッとする。
「美味しいです」
「良かった」
「いつもの味です。繁正さんが淹れてくれるコーヒーと…」
仕事上一緒に居る時間はあるものの、繁正さんの立場が変化して忙しくなり、プライベートでの時間が少なくなってしまったけど、コーヒーの味だけで安心出来る…
コーヒーをゆっくり味わっていたら、時間が経過しており、急いでコーヒーを飲み干した。
「ご馳走様でした」
「色々させちゃって疲れただろ?スーパーで何か買っていくから、早く帰って休んでおいて」
「いえ、最近お惣菜の日が続いちゃってるので、今日は作ります。副社長の夕食が手抜きだなんて知られたら、笑われちゃいます。副社長失礼しました」