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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第5章 君を見てると我慢出来ない…
『課長から身体を触られた?君の思い過ごしだろ?』
『そんな男受けを狙う格好してるあなたが悪い』
『男性陣に媚を売ろうって、嫌な子ね』
違う、私は少しでも自分を変えたかっただけなのに…
ゴポゴポ…
沸騰するポットを眺めながら、前の職場での事を思い出していた。
大学を卒業してから入った前の会社は服装は自由で、スーツの人も居れば、私服の人も居た。
私も仕事に慣れてきた頃から私服に変えて、少しずつオシャレを楽しんでいた。
しばらくすると、先輩の女性社員から嫌がらせと嫌味を言われるようになり、上からもセクハラをされるようになった。
唯一仲の良かった同僚からは『あなたが可愛くなったから女性陣は妬んでいるんだ』と教えられた。
そこで受けたセクハラや嫌味で、女性としての自信を失くしてしまった。
スカートはほとんど履かなくなったし、女性らしい格好もしなくなった。
朝食を終えて、全身鏡の前で身支度を整える。
黒のパンツスーツに髪の毛を束ねるのが、OLとしての私のスタイル。
試用期間中はスーツの着用が義務づけられ、終わったら女性は私服でも良いと言われている。
…けど、多分ずっとこのスタイルだろうな…