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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第5章 君を見てると我慢出来ない…
「彼氏の分も用意してあげるんだー」って先週言ってたけど、どうなったんだろ?
「材料を買いに行く時間が無い?」
「ううん、そうじゃなくてね…」
「北村くんは?」
「ああ…北村くん…えっと…」
同い年の彼氏のことを話題に出すと、急に歯切れが悪くなって、口籠っちゃった…
「けいちゃん…」
「佐々木ちゃん、あんまり突っ込んでやるなよ?彼氏と仲良くしてたから、弁当作る時間が無いんだってよ」
会話に入ってきたのは、先輩の滝沢さん。
優しくて、たまに面白い先輩で、私に色々教えてくれる。
けいちゃんの教育係だった事もあり、2人も仲が良い。
「ちょ、それセクハラ…」
「セクハラじゃないから。いいなー、俺も彼女欲しいよ」
カレーを載せたトレイを置いて、隣の空いてある席に座った。
「隣いい?」
「どうぞ…ってもう座ってますよね?」
「あははっ、そうだね…それよりさ、佐々木ちゃん大丈夫?」
何のことか分からず、お箸を咥えたまま滝沢さんを見た。
「いや…親会社の人の案内から戻ってきた時、顔が赤かったから」