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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第6章 可愛い反応ばかりだと、男装してても抱いちゃうよ?
指を深く咥えると、舌で絡めて味わうように吸い始めた。
その動きが、キスをされた時の舌使いを思い出させた。
「あっ…」
「そんな顔されると、男の格好してても襲っちゃうよ?」
思わず出た高い声に、繁正さんの口角が僅かに上がった。
それを見てあまりの恥ずかしさに、急いで指を唇から抜いた
「何?」
「いや…これ以上されたら困ります!」
「どうして?気持ち良さそうだったのに…」
その言葉に閉口して俯いた。
本当の事だから、何も言えない…
不意に指先が布で包まれて、唾液を優しく拭き取ってくれていた。
拭いてくれたハンカチは、以前会社で身体に触れられた際に差し出してくれたものだった。
「ごめん、ちょっと夢中になった」
「人が見てるかも知れないんだから、やめてくださいね」
「うん、反省してる」
申し訳なさそうにしているから、反省してると捉えておこう。
普段は意地悪な事を言って、たまに写真の事で脅してエッチな行為に及ぼうとするが、助けてくれる優しい所もある。
「寝る時間が少なくなるから、もう帰ろうか」
「はい。でも、今のは繁正さんのせいですよ」
「あはは、そうだな」
繁正さんはその後マンションまできちんと送り届けてくれた。
「ありがとうございました」
「いえいえ、また会社でね。おやすみ」
「おやすみなさい」