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第11章 壊れるほどに 奪って

 光輝はきちんと和香奈に別れを告げ、大学院目指してパッションを貫いた。

泣いて縋られたらしいが、離れた心は元には戻らない。
俺もそのうち二人の事は所詮他人事となり、就職活動に専念し、大手ゲーム会社に就職が決まった。
大学生活を送りながら、バイトをし、春からは新しい生活が待っていた。
そんなある日…和香奈から連絡が入る。


 和香奈に指定されたカラオケボックスに行ってみると、ヤケクソ気味でヒトカラしていた。
俺が部屋に入ると一旦歌うのを辞め、「あっ!歩〜」とかなり酔っ払ってテンションの高い和香奈が居た。
「待ってたよ、ヒトカラ満喫してた〜」などと言いながらも、掛かっている曲は淋しげな失恋ソングだった。
三ヶ月ぶりに見る和香奈はかなり窶れていた。
背中まであった髪をバッサリボブヘアにし、細い腕を剥き出しにしたワンピースを着ていた。
女らしい丸いホルムがなくなり、すっかり尖ってしまった身体つき。
申し訳ないが、ガリガリな女は自分の好みから外れてしまうのもあり、いまの和香奈にはなんの魅力も感じなかった。

 罪な光輝に代わり、今宵は酒を飲んで歌って慰めるつもりで和香奈の隣に座り、頼んだジントニックを飲んだ。
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