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第12章 弱い心 溺れていく性

 再び夜道を手を繋いで歩くなんて思いもしなかった。
ましてやまたエッチをするなんてさ……
正直、この展開は予想もしてなかった。
恋愛は普通にしてきた。
恋愛には至らないセックスの経験もある。
ただ、ダチの彼女だった女とシタのは初めてだ。
勿論、光輝には和香奈と関係を持った事は内緒にしてる。
内緒にしなくても疚しくもないが。
ただ今回の展開には正直驚いたし、下半身はそんな心より正直なもんで、女から『ヤリたい』を匂わされたら、ご期待に応えたいわけで…
というのは言い訳か。

「ホテル行く?」

「歩の家はダメ?」

「散らかってるし、汚いからさ……」

「歩がどんな部屋に住んでいるのか興味あったから」

「ワンルームの殺風景な部屋よ」

「じゃあ、今度招待してよ」

「今度な」

「約束ね」

「部屋、片付けておくよ」

「うん。楽しみにとっておく」

「それにさ、壁薄いんだよ。エッチな事には不向きな部屋なんだよね」

「……歩はそういう事ハッキリ言うよね」

「本当の事だけど。和香奈の喘ぐ声聞こえちゃうよ。
なんなら猿ぐつわプレイでもする?」

「………いいよ」


 今、いいよって言った?
俺、軽いジョークのつもりだったんだけど………
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