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第12章 弱い心 溺れていく性

 和香奈は俺の返事を待ちながら、じっと俺の顔を見ていた。
手持ち無沙汰だったのか、グレープフルーツハイをグイグイ飲み、お代わりまでしていた。

「歩、この間は嫌な事を忘れちゃうくらいのた刺激有難うね」

「あっ、あ……」

 困っていたのを察したのか、俺の次の言葉に待ちくたびれたようで、先手を打ってきた。

「忘れようって思ったのは、あの夜があったから。
どんな慰めよりも決定的に諦めがついたよ」

 そう言う和香奈は意味ありげで小悪魔の微笑みを浮かべ、俺の目を凝視した。

 酒を飲み、ほろ酔い気分な俺はこの言葉やその訴えるような瞳をちゃんと分かっていてはぐらかすなんて………そんな勿体無い事出来るわけもない。
『ヤリたい』
それを意味しているのは二人の間に流れた空気が歯止めなんて効くはずもないのだから。



 エッチしたい気分

 そんな気持ちを二人を止めたりしない。



「もう一杯飲んだら出ようか?」

「うん」

「またシテみる?」

「……うん」

 もう完全にあっちモードのスイッチがは入り、あとは酔いに任せて気分を盛り上げるだけだよな。

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