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第14章 今があるのは

 和香奈の住んでる女子寮まで電車で向かい、車を取ってくるまで近くの公園で待っていた。
ベンチに座り、秋の日差しを浴びてスマホを弄りながら時間を潰していたら……
じっと俺の姿を見つめる熱い視線を感じた。
和香奈かと思い、近づいてくるまでそのままの体制を崩さずにいた。

 親父からの『何時くらいにこっちに来る?夕飯はどうする?夏帆に今運転任せていて、海沿いを走りながら帰り道』のLINEが一時間前に入っていて、綺麗な房総の海をバックに撮った写メが添付されていた。
親父に抱っこされた星空の満面な笑みがとても可愛い。
写真に写ってない夏帆さんが撮ったものだ。
夏帆さんは写真を撮るのが上手い。
星空の成長を日頃から撮り続けているだけあって、カメラを向けられた星空も夏帆さんに安心してありのままを撮らせるのだろう。
そんな写真を見てニヤけてしまう俺はバカ兄貴なんだろうね(笑)

 和香奈に会わせるのはサプライズにして、『夕飯は外で一緒に食べる?
俺、給料日後だからリッチよ?(笑)
夏帆さんにたまには楽させてやんな!』と返信を打ち、送り終わった後、ゆっくりと顔を上げると、そこには懐かしい顔があった。

「あっ!やっぱり歩ちゃんだ!」

 このタイミングで会うって………
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