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第14章 今があるのは
「休みの日って、時間が過ぎるの早い。歩と居ると特にね」
「そんだけ充実してんだろ?」
「そうだけど……もうすぐ歩を送らないと」
「寂しいか?」
「寂しいよ」
「なら親父と夏帆さんに会っていけよ。どうせ夕飯は俺がご馳走するつもりだから外食になる。だから一緒に食べよう。それに和香奈の事、紹介しとくわ」
「えっ!!えー!!いいの?」
「いいも悪いも……。
夏帆さんは一応俺の母親だし、母親並に心配すんのよ。
離れて暮らしてるし、自分が居るから中々帰って来ないんじゃないかなんてさ、いらん心配してるって親父から聞いた事あるんだ。
だから、和香奈の存在を知れば納得すんだろ?
それに和香奈の心配もなくなるだろ?」
「あっ、そうだね。
嬉しい!!あっ!ならここのアップルパイ美味しいからお土産にしよう」
「気、遣うな!」
「遣うよ。女ってね、シビアだからそういうとこ良く見てるんだよ。
初めて会うのに手土産もないなんて、気の利かない女だって思うもんさ」
「なるほどね。なら俺がアップルパイ買うから、和香奈からっう事にしよう」
「それ意味ないし、そういうとこで嘘もつきたくない。夏帆さんには良い印象残したいし」
「そっか」
まあ、それならそれで。
星空と夏帆さんが喜んでアップルパイにかぶりつく姿も想像出来た。
そういう人だから。夏帆さんは……