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スパイス
第17章 世界一の不器用者
ーー
ー
「昨日は沢山お肉食べたから、星空はグラタンがいいな。
歩兄ちゃんは何がいい?」
後ろの可愛い声が私を現実に呼び戻す。
麗子には申し訳ないが、私には星空を授かる事が出来た。
麗子の前で星空の話をするのは気が引ける。
長野でハルとスキーや登山などの趣味を充実させたり、40を過ぎてもラブラブな写真を年賀状にして毎年送ってくる。
『更年期障害が始まり、ハルに当たり散らす毎日』などと惚気の言葉を添えて。
私も聡や星空にイライラしてしまうのは、やはり更年期なのだろうか?
歳を取ってからの子育てはやはりキツイもんだと実感する。
思い切り更年期障害をぶつけられる麗子を羨ましくも思う。
嫉妬心を表に出さず、心に仕舞い込めるようにもなった。
人は生きていれば、どこかしら成長するもんだ。
それでも苦手分野は苦手のまんまで自分の不器用さに泣けてくる事もある。
そんな私でも自分に何か誇れる事があるとすれば、星空を産めた事だ。
この奇跡に感謝してもしきれない。
それだけ星空は尊い。
「歩兄ちゃんは、エビのパスタにするの?
うん。あっ!お蕎麦が乗ってるケーキもいいな。甘いやつ。それデザートね」
「歩、それモンブランの事な。俺達に似て星空もモンブラン大好きなんだよ。
もうそろそろ着くから、電話切るぞ。
あ、そうか。うん、なら中で待ってろよ。じゃあな」
「歩兄ちゃん、バイバイ」
「夏帆、次の信号を右で、あとは真っ直ぐ道なり」
「うん。分かった」
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「昨日は沢山お肉食べたから、星空はグラタンがいいな。
歩兄ちゃんは何がいい?」
後ろの可愛い声が私を現実に呼び戻す。
麗子には申し訳ないが、私には星空を授かる事が出来た。
麗子の前で星空の話をするのは気が引ける。
長野でハルとスキーや登山などの趣味を充実させたり、40を過ぎてもラブラブな写真を年賀状にして毎年送ってくる。
『更年期障害が始まり、ハルに当たり散らす毎日』などと惚気の言葉を添えて。
私も聡や星空にイライラしてしまうのは、やはり更年期なのだろうか?
歳を取ってからの子育てはやはりキツイもんだと実感する。
思い切り更年期障害をぶつけられる麗子を羨ましくも思う。
嫉妬心を表に出さず、心に仕舞い込めるようにもなった。
人は生きていれば、どこかしら成長するもんだ。
それでも苦手分野は苦手のまんまで自分の不器用さに泣けてくる事もある。
そんな私でも自分に何か誇れる事があるとすれば、星空を産めた事だ。
この奇跡に感謝してもしきれない。
それだけ星空は尊い。
「歩兄ちゃんは、エビのパスタにするの?
うん。あっ!お蕎麦が乗ってるケーキもいいな。甘いやつ。それデザートね」
「歩、それモンブランの事な。俺達に似て星空もモンブラン大好きなんだよ。
もうそろそろ着くから、電話切るぞ。
あ、そうか。うん、なら中で待ってろよ。じゃあな」
「歩兄ちゃん、バイバイ」
「夏帆、次の信号を右で、あとは真っ直ぐ道なり」
「うん。分かった」