この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
スパイス
第18章 女!!女って生き物
ファミレスに到着し、先に着いている歩の席を店員に案内される。
私はファミレスが好きだ。
何故なら我が家が和食料理屋だった事もあり、和食は我が家で堪能出来てしまったから。
板前である父が作る料理は当然美味しく思えたし、幼い頃から旬のものを食べて育ってきたので舌は自然に肥えていった。
母も昔気質の人で、どんなに忙しく働いていても、ちゃんと手料理を作る人だった。
だから、レンチンのような手軽に食べれるものなどを日常で食べる事もなかった。
そういうものの手軽さを知らずに育ったのは、ある意味幸せなのかもしれない。
親から連れて行って貰う外食も、ライバル店の堅苦しいところが多かった。
そのギャップもあるのか、学生になってから友達と行くファーストフードやファミレスの気軽に寛げる空間が好きになった。
味的にもそこそこ舌が満足出来るので、社会人になってからは自分の癒やしの場所として利用する事も多くなる。
歩が社会人になり、初めて親に食事をご馳走してくれる場所にファミレスを提案するのも粋に思えた。
歩の席まで行くと、ある程度予想していた事が当たり、『やっぱりね』と心が大きく呟いた。
聡も多分そう呟いたに違いない。
座っていた歩達も立ち上がる。
「親父、夏帆さんお久しぶりです。星空元気だった?」
「歩兄ちゃん!!」
「よう!」
「歩君、お久しぶり」
「こちら……俺の付き合ってる彼女の岸谷和香奈さん」
「あっ、あ!はっ、はじめまして。岸谷和香奈です」