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スパイス
第18章 女!!女って生き物
久し振りに自分の好きなものを注文し、堪能出来るという事は幸せな事なんだと改めて実感する。
星空が生まれてからは、星空の食べれるものを優先して注文する事が多くなっていった。
自分の好きなものなんて二の次になるのは仕方ないと諦めていたから。
熱々の牡蠣フライにレモンを絞り、タルタルをちょこっとつけて頬張る。
ジュワ〜っと海の香りが口の中に広がり、『この味を待ってました』とばかりに舌が味をキャッチし、脳に向って満足信号を送る。
更に美味しくなるように、今度は脳から『白飯を食べよ』と指令が下された。
牡蠣が口からなくなる前に白飯を食べ、私は幸福感に満たされた。
こういう機会を作ってくれた歩や和香奈には感謝しなきゃいけない。
おまけにデザートまで勧めてくれて、コーヒーゼリーもゆっくり食べる事が出来た。
星空は「お蕎麦ケーキ」とモンブランをお強請りすると和香奈は笑う。
「あっ、それモンブランの事なんだ。
お兄ちゃんも好きだもんね。食べ物の好みも似てるのね」
「さっきお茶した時にモンブラン食べたんだ」
「ファミレス今日は二度目なんだろ?俺らに気を遣ってくれたのか?」
「いや、何が食べたいか決められない時はファミレスが一番無難じゃん。
この空間が意外と好きなんだよね。
ガヤガヤザワザワ色んな音が混じって煩いんだけど、何故かその音に安心したりね。
仕事の事を考えながらたまに飯を食ったりすると、寛げたりするわけよ」
あら、その感覚は私と同じだわ。奇遇ね