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第2章 夏帆

 駅に着いて歩道橋を二人で歩いた。
パパはママと手を繋ぎたい気持ちは我慢してたんだ。
初めて会ったのに軽い男だなんてママに誤解されたくなかったしね。

 ママは頭上の星空を見て、「綺麗ね、久しぶり夜空を見たわ。
普段は見過ごしちゃうのに聡君と居ると見て見たくなったりしてね〜」
なんて乙女チックな事を言う。

 どう見ても花より団子のようなママが目を輝かせて言うんだ。
パパも釣られて頭上の星を眺めたら、夜空に星が綺麗に輝いていた。
まるで俺達の出会いを祝福するかのようにさ。
ああ、こんな時間すらも忘れていたんだな……
なんてセンチメンタルな気分に慕っていたらさ、「あっ!!あそこの居酒屋まだやってる〜ネオンついちゃってんじゃん!!
ねえ、聡君まだ飲める?」

 ハッ!?ハア?夏帆さん、今何と言いました?

 「あっ、あ、大丈夫かも?」

 「さっきの居酒屋代ご馳走になりましたから、今度は私が奢ります。
行きませんか?」

 パパは笑っていた。
次に何を言い出すか予測不可能の天然不思議ちゃんのママに圧倒されつつも、その誘いが嬉し過ぎて。

 「是非」

 ママはスキップしながら歩道橋の階段の方に向かう。
パパは置いて行かれないようにママを追った。
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