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第3章 これは恋
ママと結婚するまでは、パパは星空の事を可愛がってくれるおばあちゃんの家で暮らしていたんだ。
パパの仕事は星空も知ってるだろ?
残業もあれば、泊まりもある。
歩兄ちゃんをひとりぼっちにしちゃうのも可哀想だから、おばあちゃんに面倒みて貰っていたんだ。
パパが唯一頭の上がらない人でもある。
母親は偉大なんだよな……。
きっと星空もママにそう思う日が来るよ。
歩兄ちゃんは五千円札でパタパタ自分の顔を仰ぎながら、「今度は上手くいくといいね、親父」って笑いながら部屋から出て行った。
小遣い欲しさもあっただろうが、パパの婚活には手強い家族も居たわけですよ、星空さん。
星空は歩兄ちゃんが大好きだよな。
たまに会うと甘えて抱っこして貰ったり、散歩に連れて行って貰って、コンビニに寄ってお菓子買って貰ってご機嫌で帰ってくるもんな。
ママとパパが結婚したから、歩兄ちゃんと星空が兄妹となって絆をより深めてくれたんだよ。
こんな未来が訪れたのは、パパが必死にチャンスを掴んだからですよ!
ママにパパを好きになって貰う為にさ、パパは必死になれた。
でも必死って漢字で書くと怖いな。
必ず死ぬって書くんだから。
それくらいの勢いでママにパパの恋心をぶつけたんだよ。
あの天然ちゃんのママをコメディではなくラブストーリー仕立てに変えていくんだから、そりゃ必死なるよ(笑)