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第5章 一気に加速
俺は明日から仕事が始まる。
夏帆ちゃんの会社は明日までお休み。
明日……もう俺は自分の欲を優先していた。
今まで一生懸命仕事はしてきた。
自他共に認めるくらいクソ真面目に取組んできたし、仕事は好きだし、やり甲斐もある。
だがしかし、明日一日休むという事は誰かしらに迷惑を掛けてしまうのは分かりきった事。
仕事よりも自分の欲を優先したいなど、社会人としては最低な考えなのは百も承知。
それでも、俺に今大切なのは、そのクソ真面目な殻を破り、自分の欲を優先させたいという気持ちだった。
「このまま一緒にいよう」
心は決まっていた。
夏帆ちゃんの家の前を通過し、車を走らせた。
「聡君……ごめんなさい」
「俺がそうしたいの。
まだまだ一緒にいたいの。
でも運転疲れちゃったから……その……車を停めて休めるとこ行ってもいい?
ゆっくり夏帆ちゃんとお酒飲みたいな」
「……はい」
結婚するんだ。
中途半端な事はしない。
大事にする。
そう誓って、ホテルに入った。
フレンチキスしないと……
まだしてなかった。
この日の事は生涯忘れることはないだろう。
夏帆と気まずくなったり、喧嘩したりするとこの日を思い出し、懐かしんで夏帆への愛しさを取り戻す。
夫婦はいろいろあるよな、夏帆