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永遠の愛を奪って
第9章 大切なのは……
そんなことを考えていた時、ピンポーンっと玄関のインターホンが鳴った。
「小春ー、お客さん来てるから代わりに出て。今手が話せないのー」
「分かった」
どうせ来たのは宅急便だろう。
家事をしている母の代わりに玄関へ向かい、ドアを開けると訪問してきた人の姿を見て驚いた。
「お婆ちゃん!」
「小春の好きな味噌かんぷらを作ってきたの~。晩御飯に食べてねぇ」
「ありがとう……」
渡されたタッパーに入っているのは私の好物の味噌かんぷら。
茹でたじゃがいもを味噌と砂糖で味付けした郷土料理。でもお婆ちゃんの作るものにはバターが少し入っているからコクがあって絶品だった。
子供の頃からこれが食卓に並ぶと嬉しくて、食欲をそそるような匂いがするけれど、今は喜べるようなテンションではない。
「どうしたのぉ~?今日の小春は元気ないじゃない?」