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永遠の愛を奪って
第9章 大切なのは……
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遠回しに悩んでいることを相談してみると、お婆ちゃんはうんうんっと頷いて聞いてくれていた。
子供の頃からこうやって私の些細な悩みを聞いて笑顔で答えてくれる。
でも今回は難しい質問だったようでお婆ちゃんは少し考えるように目を閉じていた。
「誰にでも話したくないことはあるわね。でも……」
「でも……?」
「話してもらうために、まずは相手に心を開いてもらわないとねぇ~」
「心を……?」
「小春が思っていることを素直に話せば、相手も向き合ってくれるでしょ。
壁を作っていれば、相手にも壁を作られる。よく言うじゃない。相手は自分の鏡だって」
青木くんに心を開いていなかったなんて考えてもいなかった。
でもお婆ちゃんの言うことは当たっている。
嫌われたくなくていい子を演じていて、自分の本当の気持ちを話せなかった。
さっきだってそう。本当は土嶋さんの家に行って欲しくないのに、思ってもいないことを言ってしまった。
私がこうなのだから、青木くんも心を開いていないのかな……。
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