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永遠の愛を奪って
第9章 大切なのは……



別れてはいないけど、その問題の彼氏がすぐ隣にいることを知らないからこんな冗談を言えるんだろう。


しかも、青木くんは先輩に見えないように口元を押さえてひっそりと笑っていた。


「違いますけど……」


それくらい悩んではいる。


今、先輩の前でそのことを言ったら青木くんは気付いてくれるのかな……。


不安げな表情で青木くんの方へ目を向けると、私の心境が普通ではないことを感じてくれたのか笑うのをやめて眉を下げていた。




「なんだよ。からかってもつまらないなー。元気が出るように今晩でも飲みに連れて行くか?」


「えっ!?」


先輩に誘われたことで重たかった瞼が一気に軽くなって目が覚めた。


今までからかわれるばかりで直接飲みに誘われたことなんてなかったから耳を疑ってしまう台詞だった。


彼氏である青木くんにも聞こえていると思うけど、今どんな顔をしているのか見る勇気はなかった。


「はくまい、そんなに驚くなよ。飲みに誘っているだけだろー?」


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