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永遠の愛を奪って
第9章 大切なのは……
「そうだといいんですけど……」
この問題が土嶋さんの体調が回復したくらいで解決したとは言えないと思う。
「もー、小春までそんな顔していないでよ。
……はい、これを提出しに行くついでに彼氏の顔でも見てきて元気出しな。
さっき見たらデスクに座っていたからいるはずよ」
そう言って穂並さんが渡してきた物は青木くんのいる職場に提出しに行く資料だった。
でも渡す人は私のことを『はくまい』っと呼んでからかってくるあの先輩。
また面倒なことを言われてしまいそうだけど青木くんの顔は見たい。
モヤモヤしていても会いたいと思ってしまうのだから、いくら不安に思っていても好きなんだと思う。
いつもより緊張しながらその資料を届けに行くと、穂並さんの言っていたとおり青木くんがいた。
付き合っていることがバレないように目が合った時にほんの少しだけ微笑まれる。
今はその笑顔を見て嬉しいような、寂しいような複雑な気分だった。
「おっ、はくまいじゃん。穂並の代わりに持ってきてくれてありがとな」
「いえ……。それでは……」
「元気がないなー。彼氏にでもフラれたか?」