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永遠の愛を奪って
第9章 大切なのは……
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「……本当は土嶋さんの家に行って欲しくなかった」
「えっ……?」
青木くんに隠していた本音を口に出すと一気に瞳が潤んできて、コンクリートの地面にぽろりと涙が落ちた。
曇り空だけど雨は降っていないから乾いた地面が濡れてしまったのは私が泣き始めたせいだ。
周囲には多くの人が歩いていて、こんな姿を誰かに見られるのが恥ずかしいのに涙が止まらない。
我慢していた気持ちが溢れてきて、自分ではどうしようもできなくなっていた。
「ちょっ、いきなりどうしたんだよ。とりあえず、落ち着けるところに行って話そう。
あっ……、あそこのベンチにでも座ろうな。歩けるか?」
「うん……」
掠れた声で返事をしてこくんと頷き、手を引いてくれる青木くんについて行く。
泣き顔を見られないように進み、人通りを避けた場所にある木製のベンチに腰を下ろした。
「……で、本当は葉月の家に行って欲しくなかったんだって?」
「っ……、ひぐっ……、うんっ……」
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