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永遠の愛を奪って
第10章 深まる愛と過去
「ちょっといいですか?」
「はっ、はい……」
仏頂面で私を待ち構えていたのは土嶋さんだった。
明らかに怒っている。どうやら昼休みに私と祐が一緒にいたことををまだ引きずっているようだ。
モヤモヤしている気持ちは私も同じだけれど……。
更衣室は出入りする人が多いから他の場所へ異動したいのか、土嶋さんは私をついてくるように手招きしてくる。
怖いけれど仕方なくついて行くと、主に資料室や備品室で占めている五階へ辿り着いた。
定時を過ぎた時間である今は、ここを歩いている人はそういないからとても静かな場所だった。
「なにか用事でもあるんでしょうか……?」
足を止めてもなかなか話し掛けてこない土嶋さんに声を掛ける。
何も話さず黙っていられると、色んな条件が重なり合って余計に不気味に思えたからさっさと終わって欲しい。
「白米さんにお願いしたいことがあったから待っていたんですよ」