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永遠の愛を奪って
第12章 雨が上がりの口付けは……



「小春といると癒されるというか落ち着くんだ。……結婚する人もこういう人がいいなって思うし」


祐の口から初めて“結婚”という言葉が出てきてドキッとした。


そんな風に思っていてくれたことが夢みたいで信じられなくて鼓動が早くなっていく。


嬉しく思いながらも土嶋さんの方を見てみると私とは反対に大きなショックを受けたように呆然としているようだった。


「そうなんだ……。祐って変わったよね……」


「葉月といた時は若かったんだよ。今は年を取ったのかもしれない……」



「今だって若いくせに……。……今日は帰る」


「うん。気をつけて帰れよ。お疲れ……」


一瞬睨まれて怖くなったけど、土嶋さんが私たちの前から去って行ってホッとした。


もらったポケットティッシュで涙を拭くと祐が私の頭にぽんぽんと触れて慰めてくれた。


給湯室で土嶋さんにしていたものとは違う、優しい触れ方に凍ってしまいそうなくらい冷たかった胸が温かくなっていく。


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