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永遠の愛を奪って
第14章 淡い恋心と信頼
とにかく今は考えている暇を作りたくなくて、急いで部屋へと戻って準備をして椿さんと一緒に出掛けた。
再びロビーに戻っても祐の姿がないのは変わらず、土嶋さんと一緒にいる事は本当なんだろう。信じたくないけれど……。
ホテルがある場所は市街地から標高が高くて気温も低く、道路わきには雪が積もっていた。
でも路面は凍っていて気を抜くと滑ってしまうほど危険で、歩幅を狭くしてちょこちょこと歩く。
「危なっかしいな。袖でも掴んでろ」
「そんなわけには……」
「道路に尻餅つくのは痛いから。彼氏の青木だって紫にした尻を見たくないだろー?」
否定できないから仕方なく椿さんのジャケットの袖をぎゅっと握って側を歩いた。
ほんの僅かな時間でコンビニの看板が見えてきたからホテルから距離が短いのが救いだ。
青木くんに私という彼女がいるというのに、土嶋さんと二人きりにさせることをする椿さんがいまいち信用できないけれど……。
「土嶋さんと二人きりにするために椿さんは青木くんを呼び戻したんですか?」