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永遠の愛を奪って
第14章 淡い恋心と信頼
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それから自由時間が終わってしまい、私と祐はバスへと戻った。
集合場所である車内に乗り込むと他の社員はほぼ揃っていて、土嶋さんと椿さんも席に座っていた。
自分の席に座ってからバッグを下ろすと、腕組をしている椿さんが私の方へ視線を向けてくる。
「おかえり、はくまい。どうだった?」
「…………」
最後まで社員旅行を楽しんでいるおばちゃんたちの賑やかな声が飛び交っていて、強引に作ってもらった時間で起きたことを話せる雰囲気ではなかった。
祐と土嶋さんの席は前の方だからここで椿さんに話しても聞こえない。
でも口を開いて話す気にはなれず、俯いたまま首を横に振ることしかできなかった。
「……悪かったな」
椿さんはぼそりと謝るようなことを言ってから、丸めている私の背中を励ますようにぽんぽんと叩いてきた。
その優しさで祐と話したことを思い出してまた涙が滲んでくる。
「……元気出せよ」
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