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第14章 淡い恋心と信頼

売り言葉に買い言葉で埒が明かない。

怒って感情的になってるからといっても我ながら可愛くない彼女だ。


話し合いにならないと呆れてしまったのか、祐は高台から下りる階段の方へ足を進ませた。


「ごめん。そう見えたからつい……。小春は黙ってたけど、どうなんだよ……。オレのこと信じられる？」


「私は……」


土嶋さんと一緒にいて腕に絡みつかれている光景が脳裏に浮かぶとどうしても言葉に詰まる。


離れた今も忘れられないほどそれは印象深いものとなっていた。


なかなか答えられずにいる私に祐は背を向けてしまい、どう思っているのか気になるのにどんな表情をしているのか見れなくなった。



不安が大きいというだけで、祐が嫌いになったというわけではない。

でも答えられないということは、信じられないと言っているようなものになるんだろうか……。


「祐……。待って……」


「なぁ、小春……。オレのことを信じることができないんだったら、これからどうしていくか選択できることはひとつしかねーと思うけど……」


「えっ……」