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永遠の愛を奪って
第15章 明るい未来への一歩
「わたしのことじゃなくて白米さんのためですか……。白米さんと付き合ってから祐は変わっちゃいましたよ……。
前はわたしが誘うとシてくれたんですけどね……」
貸してもらったタオルで土嶋さんは雪が解けて濡れた髪を優しく拭き始める。
暖房も効いているから髪もすぐに乾いていく。
「マジか……。おまえら、前はやっぱりそう言う関係だったのか」
「色んな人から知られてると思ってましたけど、先輩は知らなかったんですか?ラブホから出た時も見られたことがありますし」
「なんかショックだな……。身近でそんな関係が出来上がっていたなんて。でもそれでも気持ちが動かないんだから諦めろってことだな」
「嫌です……。諦めたくないです……」
「誰かをそこまで好きになれるってことはそうないからなー。でも相手の幸せを願ってやるのも片思いをしている人ができる特別なことだと思う」
「っ……、うううっ……、先輩のバカ……。わたしは祐が好きなんです……」
再び涙を滲ませて泣き出した土嶋さんに、心配そうな顔をした椿さんが近づいて行って控えめに抱きしめた。
悲しんでいる後輩を守ってあげるように……。
「よしよし。こんなおれだって失恋した時に慰めることくらいできるぞ」