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永遠の愛を奪って
第16章 満たされる心と体。そして……



驚きながら祐の目を見ると、触れていた髪を放してから呆れたような顔をされる。

その表情になったのは“恋人”っと言った時からだった。


「小春はそう思っていたんだな」


「すごく嫌だったから印象に残っていて……」


「ごめん。……っというか、恋人みたいにしていたというよりもオレは話を聞いていただけで、葉月が一方的にベタベタしてきただけだから。

それにオレは恋人だって勘違いされるようなことを葉月にされて嫌だったから」


「そうだったんだ……」


「でも脅されてばかりじゃダメだよな。悪口を周りの人から言われても彼女のことを守ってやるってくらい彼氏として強くいないと」

「祐……」



「本当は小春と葉月を傷つけないまま前に進もうって思ってた。

葉月のことは今はもう女としてじゃなくて同期として大事に思っていたから、仕事仲間として仲良くしていたかったから悲しませたくなくて……。

でも葉月がオレに飽きてフェードアウトしてくれるのを待とうとするのは優柔不断になるし、それは大間違いだよな。

……オレの中途半端な優しさのせいで一番大切な小春のことを傷付けてしまっていたし」



社員旅行の時にその光景を見て傷ついた心を癒してくれるように祐は私を抱き寄せてくる。

温かくて、肩に入りっぱなしだった力が抜けて安心する。


胸元におでこが触れてから目を閉じるとやっとここに戻れたと実感することができた。


祐の恋人は土嶋さんではない。……私だ。



「私のために土嶋さんの言うことを聞いていたんだね……。異性として見ていて好意があるからそうしているんじゃないかなって不安になってた」


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