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第16章 満たされる心と体。そして……

「祐が…いなくなる……？」


二人で予定を立てていたことを穂並さんに話すのが楽しみだったのに、信じられない言葉を聞いて浮かれていた顔が一気に曇っていく。


いなくなるなんてことは何も聞いていない。


何の冗談かと思って首を傾げるけど穂並さんの真面目な表情を見る限り、嘘をついている感じではなかった。


「そんなに大事なことを青木から聞いてないの？」


「えっ……、大事なことなんですか？」


「またアイツは言えなかったのかー。彼女に大事な話をなかなかできない困った後輩だねぇ……」


隠していたのは土嶋さんのことだけじゃなかったってこと……？


呆れるように溜息をついた穂並さんを逃がさないように私は両腕をぎゅっと掴んだ。


「何なんですか！？教えてください！」


話を逸らされたくなくて必死になって聞くと、寂しそうな顔を向けられて事の大きさを思い知る。




「青木が転勤することになったの。……県外の方にね」