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永遠の愛を奪って
第17章 愛し合う内緒の日々
「えっ……」
穂並さんが言ったことに耳を疑った私は掴んでいた腕から手を離した。
体の力ががくんと抜けてしまうほどショックな出来事で信じたくもなかった。
「今年になってから言われたみたいなんだけどね、人手不足だから青木が行くことになったのよ。若いうちにあっちの方で色々覚えてもらいたいみたいで。
まぁ、うちの支部からそこに飛ばされる人はよくいるから珍しいことではないんだけど」
「それってある程度期間が経てば戻ってくるんですか……?」
「あたしが勤めてる間だと、……戻ってきたって話は聞かないね。あっちの方では辞める人が多いから人手が常に欲しいみたいで」
ここの会社に帰ってこないという事は、同じ場所で働くことはできなくなるということ。
いや、それ以前に祐と毎日会うことができなくなる。
顔も見れなくて、触れることもできなくて、声もそう簡単に聞けなくなってしまう……。