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永遠の愛を奪って
第18章 彼氏宣言と事情
「オレの実家はパン屋をやってるんだけど、その店を継ぐ予定だったねーちゃんが結婚してさ。旦那さんの実家の方に住むことになったから家を出るんだ。
それですぐには帰って来れない場所に嫁ぎに行くから、オレまで遠くに行くと先祖代々続いてきた店を守る人がいなくなるからやめてくれって……。
いくら話し合っても堂々巡りだから頭にきて出てきたんだ」
「そうなんだ……。祐の家は大変なんだね……。お店を守ろうと思わないの?」
「店を守る前にパンを作る才能がないからなー。料理だって炒め物しかできねーし。
何より今の仕事の方がオレには合ってるし、自分のできることをして両親にも小春にも認めてもらいたいなって思ってる」
残業をしてきて疲れているというのに、まだまだいけると元気に笑った顔を見せて話してくる。
きっと祐は転勤することを嫌だと思っていないんだ……。
私と遠距離恋愛になるとしても……。