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永遠の愛を奪って
第19章 溺愛とさよならの決心
家を出るギリギリの時間まで抱かれていた後、布団から出て私たちの一日が始まった。
今日は金曜日。昼には穂並さんの結婚を祝い、夜には祐が転勤するために送別会が開かれる。
忙しくもあり、充実した一日になると思う。
一つ目のイベントは祐と計画してきたことだったから楽しみでもあった。
「穂並さん、ご結婚おめでとうございます」
「ありがとう。小春、青木」
予約しておいたフレンチ料理の店に穂並さんを招待してお祝いのプレゼントを渡す。
それは休日に祐と一緒に買いに行った物だった。
「なんか大荷物ね。何が入ってるの?」
「プリザードフラワーとウエディングフォトフレームです。旦那さんとの写真をいっぱい撮ってくださいね」
「あら、そうなの。嬉しい。わざわざありがとね。
身内でしか結婚式を挙げないのに御祝儀だけでなく、プレゼントまでもらっちゃって悪いね。あたしはいい後輩を持ったものだよ……」
声を震わせてそう言った穂並さんはハンカチをポケットから取り出して目尻にそっと当てていた。
初めて見た先輩の涙。ここまで喜んでもらえて祐と一緒に何を贈るか決めてお祝いできて良かったと思えた。
「ごめん……。嬉しすぎて涙が出てきたわ。次は小春と青木が幸せになる番だね」