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永遠の愛を奪って
第19章 溺愛とさよならの決心
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「そうよ。もっといい女がいるわよ?」
ぐさりと刺さるようなことを言ってくる女性社員たちの間を抜けて真っ直ぐ私の前へとやって来る祐。
薄暗くてはっきりとは分からないけど、お酒を沢山飲んだと思うのにいつもと変わりない表情をしている。
土嶋さんに背中を押されても女性社員に何も言い返せず、祐のことだけを見つめていると指を絡めて手を繋いでくれた。
「いいえ。オレは白米さんと付き合っているから帰ります。
だから、これからも温かく見守ってください。……オレが転勤したら小春のことを頼みます」
会釈をして挨拶をするように笑顔で祐が言うとざわめいていた女性社員たちの口が一斉に閉じた。
どうしよう……。恐れていたことが起きてしまった。
来週から敵に回したてしまった女性社員たちに睨まれて過ごす羽目になる。
未来が真っ暗になったと思った途端、なぜなのか女性社員たちが拍手をし始めた。
「そうだったのね。おめでとう。お幸せに」
「青木くんが言うなら応援してあげるしかないわよね。転勤しても頑張ってね」
信じられない光景を目の当たりにしてぽかんとする中、もう一度会釈をした祐に手を引かれてその場を後にする。
でもその前にまだ眉間にしわを寄せていた土嶋さんの前へと向かって行った。
「葉月、サンキューな」
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