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永遠の愛を奪って
第20章 小春の望むこと
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渡された紙を穂並さんに返すと椅子から立って早速課長に言いに行ってくれるようだった。
でも何かを思い出したように再び椅子に腰を下ろす。
「さっき、課長が直帰で外出してくるって言ってたばかりだったわ……。明日になったら言うから小春も考えておきな?」
「何をですか?」
「決まってるでしょ?命令が出たってことは異動しないといけないんだし、この仕事を辞めるか、続けるかってことよ。
ここまで話が進んじゃっているんだから変更できないことも考えて行動しないと」
同僚の愚痴は笑いながら話していた穂並さんが真剣に向き合って話をしているから、いくら考えてもこれは冗談ではない。
転勤するとなると私も祐のように大好きな人たちにそう簡単に会えなくなる。
でも今の仕事だって就職活動の苦労を重ねてやっと入れた会社だ。
やっと慣れてきて、穂並さんがいなくても一人でこなしていけるほど仕事も覚えてきた。
自分に合っているか、合っていないかと言えば前者で長く続けていきたいとさえ思っていた。
――――だから、正直に言うとこの仕事を辞めたくない……。
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