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乳房星(たらちねぼし)・再々修正版
第4章 悲しみのゆくえ
それから3日後の4月11日の朝5時頃のことでありました。

またところ変わりまして、徳島市寺島本町西(てらしまほんちょうにし)のぽっぽ街(アーケード通り)にあります理髪店の居間にて…

理髪店は、施設長さんの妹さん夫婦が経営している店でありました。

3日ほど前に大洋デパートの屋上で意識を失って倒れていた実母は、目をさました時に着ていた制服を脱がされてベージュのレースのスリップ姿に変わっていた上に、みたことのない場所へ移されていたのを知ってしまったので、大パニックを起こしそうになっていました。

「あっ…ああああ!!こ、こ、こ、こ、ここはどこなのかしら…あっ、アタシ…」

この時、施設長さんと施設長さんの妹さんの十川眞衣美(まいみ)さんが大パニックを起こしそうになっていた実母を必死になりましてなだめていました。

「きょうこちゃん!!きょうこちゃんおちついて!!」
「あっアタシ!!大洋デパートの屋上で…意識を失って…こ、こ、こ、こ、ここはどこなのかしら!!」
「きょうこちゃんおちついて!!ねえさん!!」

施設長さんは、頭がサクラン状態におちいっている実母に対して『今は安静にしていなきゃダメなのよ!!』と言いましてなだめていました。

実母はこの時、医師から妊娠3ヶ月と診断されていました。

施設長さんは、この時から実母の胎内にいる赤ちゃんを護るための対策に入っていました。

実母は、ほとぼりが冷めるまでの間眞衣美さん夫婦が経営する理髪店の居間でお世話になることになりました。
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