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咲の旅物語
第13章 滝壺の竜宮城
洞窟に入ると暗闇になるかと思いきや、あちらこちらから太陽の光が帯びてスポットライトのような青い筋が何本も出来てた。
広さはかなりあり、鯨が悠々と行き来できるぐらいの巨大な洞窟だった。
隆起した岩がポコポコと気泡を吐き出し、色鮮やかな魚たちもスポットライトに照らされて幻想的な風景を造り出している。
しばらく行くと、ぽっかりと空気の有るところにでた。
高さ的には、湖より低い場所にあるのに水に侵略されていない。
咲たちはそこに上がると、道なりに歩いていった。
「一本道ね」
確かに脇道はない。
「何があるか解らないから、気張っておけ。」
言葉と裏腹にディラの顔は楽しそうだ。
「ええ」
短く返事をし、キョロキョロと見て廻る。