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咲の旅物語
第13章 滝壺の竜宮城
「パパなの…憑依されたの…。ママに助けを求めようとしたけど、アカリスの結界は強力で…」
「なるほど、ピギョの父親なら容易に集落に近づける。
ピギョにも詳しいから、殺害には打ってつけだったと言うわけだ。
ただ、魚人最強と言われるピギョの父親を拘束するのは、骨が折れること。
魚人たちの魔力も根こそぎ持って行かれたはずだ。」
「はい…だから、私たちも集落でこのような中途半端な姿をしているのです。」
「え?魚人ってこういうものじゃないんだ。」
咲は驚いてアローナにいう。
ディラは大きくため息をつき、ピギョに向かう。
「父上はどこに?」
その言葉を聞いて、ピギョが目を輝かせる。
「助けてくれるのですか!?」
「やれるかわからないが、一度見てみよう。なぁ咲。」
咲は、笑顔で頷く。
がアローナは、今気付いたかのように咲を見る。
「人間。貴様には彼処に入れぬ。」