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咲の旅物語
第13章 滝壺の竜宮城
そういうと、ピギョはどんどん小さくなっていった。
最終的には、咲たちと同じ大きさになり、全身を泉からだした。
「に…人魚だぁ…」
咲は、ピギョをみて感嘆の声をあげる。
ピギョは正しく人魚のようだった。
その姿は美しく、下半身の鱗が七色に輝いている。
胸へは貝殻をあて、お伽噺のソレそのものだったのだ。
「わたしは地上をあるけません。このままでお許しください。」
泉の畔に腰掛け、咲に言う。
「キレイ…」
咲はそれどころではない。
自分の事を棚にあげ、見惚れていた。
「おい、咲。呆けてないで行くぞ。」
ディラは、咲の肩を掴みこちらの世界に呼び戻す。
「そうですね、パパに会ってください。そしてどうか、パパを救ってください。」
ピギョは、咲に懇願の目を向け、頭を下げる。
「わたしで救えるなら…」
咲は極上の笑顔を浮かべ、頷く。
「では、案内します。」
そういうと、咲たちに魔法をかける。