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咲の旅物語
第14章 死の洞窟
辺りが闇に包まれて、星達が一斉に瞬き始めた頃、漸く男が起きた。
男が目を覚ますタイミングで、部屋に入った咲は男の体力が戻った事にホッとした。
「うぅ…」
唸り声を上げ、うっすらと目を開けると咲を見て
「…天国?」
第一声である。
「生きてますよ…。体は大丈夫ですか?」
咲は苦笑いをして、水を男に渡す。
男は上体を起こして、水を受けとると一気に飲み干した。
「…え?」
水を飲んだことで一気に目が覚めたのか、目を見開いて驚いたように咲を見た。
「滝であなたを見つけて、保護しました。汚れと傷は浄化しましたが、良かったら湯浴びします?」
「…え?いや…はい。え?」
理解が追いついていないようだ。とにかく、咲は男を促して風呂に入って貰うことにする。
風呂場に放置して、リビングに戻った咲はダイゴに後を頼んだ。