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咲の旅物語
第14章 死の洞窟
ゴーレム故にディラに影響はないが、敵はなかなかのスピードがある。
『奴はなんなんだ…』
だが、流石のディラも見たことのない化物に背中が冷たくなる。
殺気も魔力も感じられない。
有るのは何かを欲している欲望だけだ。
『ちっ仕方がない。咲!』
『うへぇ。気持ち悪いけど…しゃーない…』
咲は嫌そうに顔をしかめながら、両手を化物の顔のある位置に上げると魔力を集める。
『記憶収集』
ピンクの魔力が化物を包むと、徐々に収束し小さい光の粒になると咲へ戻ってくる。
『闇の束縛』
記憶を読み取った咲は、顔を歪めると拘束魔法を放つ。
黒いチェーンが化物に巻き付き、動きを封じる。
それでも、何かを欲している化物は手を伸ばしてくるが、その度にチェーンがきつく締まり擦りきれた体から赤黒い体液が流れ出る。