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咲の旅物語
第14章 死の洞窟
「オォォ…アァァ…」
―でかいな…
ソレは空間の4分の1を埋め尽くす程の体躯に異常に長い顔面。
なのだが、声を発したにも関わらず、その顔には必要な物が存在していなかった。
そう。目鼻や口がないのだ。
『なかなか…だな…』
流石のディラもひきつった表情になる。
もっとも、ディラをひきつらせる原因はその風貌だけではない。
それは沢山の人や動物、果ては魔物にいたるまで、あらゆる生き物の体を繋ぎあわせて作られたような違和感のある体躯だ。
「カラダ…ガラ゛ダ…」
ゆっくりと此方の方に顔を向け、継ぎはぎだらけの巨大な手を向けてくる。
『おい、なんなんだ…』
ディラは身構えた。
ズドンッ!
その化物はディラに向かって出した手を凪ぎ払った。
『っな!』
咄嗟に横に飛び退いたが、初動がゆっくりしていた為、少し腕の皮膚をもって行かれた。