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咲の旅物語
第16章 王都 ルアール
「ふぅ~。こっわっ」
ある程度離れた場所で一息つくと、咲が息を吐いた。
海賊より客の睨みが怖かった。見た目は海賊だが、やはり王都でカジノをやっているだけあって人間は真っ当な人達だ。
だが、金がかかっている客は違う。
現に咲たちの後を何グループかつけてきていた。
という事で、咲は厳ついおっさんゴーレムを召喚してみた。
それと合流したように見せかける。
慌てたのはつけてきていた輩達だ。
自分達より遥かに強そうな親父たちが咲達と仲間だったとは、勝ち目がないと我先にと逃げ出した。
「ああ~、一人残った?」
「趣味の悪い…」
ディラは、残ったやつに警戒しながらも苦笑いをする。
不意に残った一人が咲たちの背後に向かって速度を上げた。
もうすぐそこまで、という距離に来たとき咲が回しげりを繰り出した。
スカッ
「え?」
見事な空振り。
背後には確かに気配があったのに姿が見えない。
「あれ?」
「おおおおねぇさん!僕に少しお金を分けてくくください!」
幼い声が聞こえ、目線を下げるとボロボロの服を纏った少年が土下座していた。
「え?君?どうしたの?」
咲は内心当たらなくて良かったと胸を撫で下ろしていた。
土下座した少年は、よく見ると傷だらけで衣服も布を纏っているように破れている。
酷い臭いもあり、普通ではない。
「少年よ、少し話せるか?」
ディラの問いかけに少年はおずおずと顔を上げる。
「君の頼みは簡単には聞けない。事情を話してくれ。」
ディラが微笑んで少年を立たせる。
「…はい。」
少年の話はこうだ。
ある程度離れた場所で一息つくと、咲が息を吐いた。
海賊より客の睨みが怖かった。見た目は海賊だが、やはり王都でカジノをやっているだけあって人間は真っ当な人達だ。
だが、金がかかっている客は違う。
現に咲たちの後を何グループかつけてきていた。
という事で、咲は厳ついおっさんゴーレムを召喚してみた。
それと合流したように見せかける。
慌てたのはつけてきていた輩達だ。
自分達より遥かに強そうな親父たちが咲達と仲間だったとは、勝ち目がないと我先にと逃げ出した。
「ああ~、一人残った?」
「趣味の悪い…」
ディラは、残ったやつに警戒しながらも苦笑いをする。
不意に残った一人が咲たちの背後に向かって速度を上げた。
もうすぐそこまで、という距離に来たとき咲が回しげりを繰り出した。
スカッ
「え?」
見事な空振り。
背後には確かに気配があったのに姿が見えない。
「あれ?」
「おおおおねぇさん!僕に少しお金を分けてくくください!」
幼い声が聞こえ、目線を下げるとボロボロの服を纏った少年が土下座していた。
「え?君?どうしたの?」
咲は内心当たらなくて良かったと胸を撫で下ろしていた。
土下座した少年は、よく見ると傷だらけで衣服も布を纏っているように破れている。
酷い臭いもあり、普通ではない。
「少年よ、少し話せるか?」
ディラの問いかけに少年はおずおずと顔を上げる。
「君の頼みは簡単には聞けない。事情を話してくれ。」
ディラが微笑んで少年を立たせる。
「…はい。」
少年の話はこうだ。