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咲の旅物語
第16章 王都 ルアール
『ぅ………』
それは、うめき声を上げるだけ。
「ちっ、さっさとこの辺を調べて上がろう。」
「ああ、臭くて目眩がするわ。」
蠢くソレを蹴り倒すと、二人の男は出ていった。
男達が出たあと、部屋の隅から不可視の魔法を解いた咲たちが現れた。
「酷い。」
「ああ…、だが、事が片付くまで身代わりを置いておいた方がいいな。」
ディラの提案に咲は頷く。
ディラは崩れたゴーレムを形成しなおす。
ジャックにそっくりなゴーレムを造り上げると、咲と共に転移した。
来たのは、子供達を見つけたところ。
「ぅわぁ…」
黒い手で拘束させている、監視達に記憶操作を施した。
黒い手を興味深そうにつついている咲を下がらせると、子供達のゴーレムを造り、強度を上げる。
「よし、仕事は完了だ。」
「うん、一旦ヘラ達のところに戻ろう。」
頷きあった二人は、再び転移していった。