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咲の旅物語
第17章 街道の孤児院
入浴を終えたマーラが上がってきた時には、全員が空間から出ていた。
「マーラ…」
ガリガリに痩せ細っていたジャックは、筋肉質の逞しい身体に戻り、その太い腕で愛しい妻を抱きしめる。
「母さま…」
子供達も涙を流しながら、マーラに抱きついていった。
「あなた…皆…。無事でよかった…。」
感動の再会である。
シュン
「ただいま…」
そんなとき、咲が帰ってきた。
「咲、大丈夫だったか?」
ディラが近寄る。
「だいじょばない…。ディラ…。あと二人、頼んでいい…?」
影を背負った咲は、首を振りながらディラに頼む。
「………大変だったみたいだな。任せろ。早く行ってこい…」
苦笑いをしながら、咲を見送るとヘラに出かけると言い残しディラが転移していった。